今日は代々木のスタジオで練習の日。
あれだけ毎日聴き倒してきた大好きな曲たちが、なぜかうまく演奏できない。悔しい。理由は何だ?!……で、自問自答。
「曲に対してマジメに相対してない」
技術も意識も『イイカゲン』になってしまっている。この原因は、実はよく解っている。いま、僕は音楽に対して「よこしま」な意識で相対している。故意にだし、期間限定なんだけど、今日はそんな事を気にする必要の無い状況だった……にも関わらず、結局は「イイカゲンな演奏に終始」した。今日の仲間たちに申し訳ない。
こんな事はもうまっぴらだ。
僕は音楽が好きで、ロックが好きで、ドラムが好きだ。演奏は楽しい。でも人に聴いてもらえることはもっと楽しい。だからこそ一所懸命練習するし、アイデアも出すし、あれこれ考えてはやり直しの繰り返し……そうしてイイ演奏ができるようになるまで頑張る。人に聴いてもらうならばそれなりのものを用意するのが演奏者としての礼儀。そう考える。
にも関わらず、今の僕は、もう一方のバンドの無謀なライブ活動のために、『基本』よりも『暴走』を取る演奏にターゲットを合わせている。そうしなければならない理由はまっとうにあるんだけれど、これが思いのほかストレスにつながる。心の正義のために悪に手を染めている気分だ。
帰りの電車でそんなことを考えていた。
で、乗り換えのために新宿で降りたとき、ふと、スティックの痛み具合を思い出し、楽器屋に立ち寄った。西武新宿線の駅のある建物の六階にある店で、記憶が正しければかなり大きな店だったはず。昔、仕事の帰りにたまたま立ち寄ったとき、出始めだったシンセドラム(当時はこう呼ばれていた)の試奏をさせてもらった店だ。
着いて見たら店内の様相はかなり変わっていたし、大好きなYAMAHAのスティックは置いてなかったんだけれど、デジタルドラムの数がかなり増えていて、すべてにヘッドホンがつながっていて試奏可能になっていた。
価格的に上級なセットにツインペダル仕様がひとつあったので、試してみた。
驚いた……ここまで進歩していたのか……物凄く生に近い感触。しかも音もイイ。シンバルの音と反応だけはまだまだなんだけど、そうは言っても、この出来なら今すぐにでも欲しいと思った。
なによりいいのが『ヘッドホンで自分の演奏がリアルタイムでモニターできる』事。これはいい。デジタル楽器なら当たり前の事なんだけど、ドラムって自分の音を『体感』できない楽器なんですよ。よほどいいモニターでも設置されてない限り、自分のキックのタイミングとか低音の響き具合とか、前面でどう聞えているのかがリアルタイムでは聴けない。
試奏のつもりが30分近く、あれやこれやと試すふりをして、自分のペダルワークのクセを確認してきた。とても有意義で楽しい時間だった。店員さんたちも遠目で見つつ声はかけてこなかった。ごめんね店員さんたち。ありがとうね(笑)。
ちょっと落ち着いた気分になった。叩きたいタイミングにしっかり音は出ていた。スタジオではあんなに苦労して、しかも正しいタイミングでキックできていなかったところもしっかりトレースできていた。
なるほど、そうか。やっぱ、自分が『楽しい』と思ってないと、音楽は音楽ではなくなってしまうんだな。
あっちのバンドからはやはり身を引こう。趣味だろうが遊びだろうが、僕は真剣に取り組みたいから。
って事で、あと半月ちょいの辛抱。ライブを済ませておさらばしよう。乗り切るぞーっ!!
チュドーン!!
良いとか悪いとかでなく、肌に合わない時ってありますよね。
自分が楽しんでこそ・・・なんだけど、皆が楽しんでくれれば
自分も楽しい。。ってことも多々あるわけで、そこの見極めは
少し時間の経過を待たないとわからなかったりする。
僕もそういう思いを何度もしてきました。
でも、ライブを済ませるまで付き合う責任感、
やはり岬さんは流石と思います。
投稿情報: ぷる | 2007年10 月15日 (月) 午後 11時48分
ぷるさん、ありがとうございます。
流石……というほどのものではありませんが、とにかくひとつの経験として、無駄にはしないようにしたいと思います。
ぷるさんも走り続けてますよね。僕も走り続けていこうと思います。
投稿情報: 岬 | 2007年10 月16日 (火) 午後 09時31分