皇帝ペンギンさんのコメントにあった映画を観ました。
『半落ち』です。
公開当時から観たかったのだけれど、タイミングを失い、レンタルもし忘れ、作品の存在もついつい忘れてしまっていました。コメントを見て思い出し、三連休明けの昨日、仕事帰りに久々にツタヤに寄り、2本借りてまいりました。え?もう一本は何かって?
内緒(笑)。
さて、映画そのものは素晴らしい作品でした。号泣するほどではなかったんですが、まぁチラリとは泣けました。この作品、とても丁寧に作られていて、佐々部監督という方は本当に原作というものを大切に扱ってくれる監督さんなんだなぁと思いました。で、ですね……
おかしいと思いませんか?
原作が一世を風靡したときも、映画が公開されたときも、世間はこの物語に号泣したそうですよ。そうですよ……と書くのも変な話で、映画そのものを観た僕の感想も「本当なら号泣できたはずの映画だったろうな」というものでした。じゃあなぜ泣けなかったのか……
小説にせよ映画にせよ、難病モノと呼ばれるジャンルがありますよね。そこそこ描けていればベストセラーにならずとも世間からは応援される本になるし、病魔に犯される主人公を演じればたいがいはアカデミー賞の対象には祀り上げられたりします。でもね……普段の多くの作品には身障者はまず描かれません。描かれたとしてもリアルではない。リアルに描くなら社会派作品もしくは芸術祭向けの作品として扱われます。
おかしいです。これ。
身障者は生活の一部に普通に存在します。僕なんかは家族にいたから余計そう感じてしまいますが、街にも電車内にもスーパーにもおなじアパートにもいますよね。なのに描くとなると基本的にはババ抜きのババ扱いか、逆に主役に据えてしまうかしかありません。
原因は作る側と見る側の両方にあるんですが、一番の問題は両側共に『不慣れな事』でしょうね。こう扱ったら怒られる、こう描いたら叱られる、もっと真実味ある描写にしてほしい、でもきわもの扱いしたら許さない……こんなやりとりの繰り返しの中、疑心暗鬼になって『ふつうの描写』がしにくくなってるんでしょう。これ、同和問題や原爆問題にも似てますよね。
で、そういう「さわらぬ神に……」みたいな風潮を完全に吹き飛ばしたブームが、ここしばらく続いてます。
不謹慎を承知で言いますと『難病ブーム』です。
セカチューが火付けなのかどうかは僕には解りませんが、もうとにかくあっちもこっちも難病モノ一色!しかも悲恋モノがベースになってます。そりゃ確かに昔っからこの二つを掛け合わせた作品は多くありましたし、そりゃ無敵ですよ。しかし、ここ最近の流れは酷すぎます。『私の頭の中の消しゴム』なんてのがありましたけれど、テーマとストーリーは泣けたんですよ。でも実際見たらキレイすぎて辟易したのを覚えています。これ、俳優さんがキレイなんじゃなくて、物語がキレイすぎるんです。あそこまでキレイにまとめられてしまうと、難病そのものは『材料』でしかなくなってしまいます。売れる作品を作る際は材料と考えて間違いないんですが、それがあまりにもあざとすぎて興ざめしちゃうんですね。『私の頭の中は砂消しでザラザラ』(笑……失礼!)ってくらいの苦味なり痛みなりは欲しかった。
で、結局こうしたブームが影響してるんです。『半落ち』を観て僕が泣けなかったのは。
アルツハイマー病と骨髄性白血病の二大難病が深く関わる作品でしたが、これらが匂いだした途端、僕は思ってしまったのです。
「これもそうだったのか!!……(^^;」
つまり、僕は泣けなかったというよりも、ドラマにのめり込めなかったんです。この映画が悪いわけじゃありません。この映画より後に流行った数多くの難病モノによって、『病気そのものがうさんくさいものになってしまった』んですね。
まぁ、僕もこうして難病を扱った作品に対しては一言三言は言うタチですんで、もっと広い心を持って接するようにしなければいけないのかもしれませんが、それでもね、思うんですよ。思ってしまうものは仕方ないんです。だからひとことボヤいて終わりにします(笑)。
そんなもん流行にするなよ!!(怒)
こんばんは。難病モノ、難しいですね・・・。どうも、テレビドラマにしろ映画にしろ(日テレの24時間テレビも)、「傷害者」を食い物にしているような気がします。「障害者が頑張ってるよ~、泣けるよ~」みたいな・・・。
自分も一応、心臓弱いので「障害者」扱いなんですが(苦笑)、別に、普通に生活できてるしなあ・・・。(実際にはこういう人多いですよね)
一応、生まれつきの難病ですが、恋愛に発展しませんが何か?(苦笑)
怒られそうなネタで一言。「セカチュー」、空港で「助けてください!」とか叫べるくらいなら、さっさと受付に行って「救急車お願いします!」とか「この中で医者の方はいませんか!?」くらい言え。
・・・バカっぽいこと書いてスミマセンです(汗)
投稿情報: サンザイオー結城 | 2007年7 月18日 (水) 午後 11時15分
岬さんみたんだー。ちなみに旦那と見に行ったんだけど、新聞屋さんからもらったタダ券でした。
また、くれないかなー。
あ、ネズミーランドのタダ券とかくれないかなー。こないだ、懐中電灯もらったけど・・・・??
では、これから検診いってきまーす!!
のちほど、メールしまーすっ。おたのちみに~♪
投稿情報: 皇帝ペンギン | 2007年7 月19日 (木) 午前 09時57分
そのとおりだと思う。
だって、実際のところ本当に体験してないんだからね。体験記とかもあるけど(ノンフィクション?)なんで本にするの?皆に大変って知って欲しいの?(怒られそうだな。。。)しかも、恋愛が絡むやつがありますね。これ、薄っぺらく感じます。
みんなそれぞれ一生懸命生きてます。(一部を除いてだろうが。。。)
奇形の人とか結構居ます。サトも病院で言われました。
「あ~君、首の骨一本多いよ~」
それだけです。
もう一本が気になります(笑)
投稿情報: サト | 2007年7 月19日 (木) 午後 04時54分
結城さま!そうですか。あれ以後はまだ色恋沙汰は無しですか(笑)。岬もおんなじですから気にしないで!(こんなレスでごめん・笑)
ペンギンさん、メールサンキューです。
もうちょっとしたら海賊さんの言うとおりに、おなかを蹴ったり殴ったり前転したり跳躍したりと忙しくなるんでしょうね(そこまでは無いだろうけど・笑)。
変な夢みたらいけないから、産まれるまでは『エイリアン』とか観ないようにね。
え?サト、首の骨が一本多いのっ?!
ギャオスみたいだな!!(解らないだろーなー・笑)
まぁ、難病に限らず、世の中にいろんな病気があって、それらで日常的に苦しんでいる人たちがいるって事を知らしめるという事はいいと思うんですよね。でも、やっぱそれが妙にキレイな物語に組み込まれてしまうと……ねぇ!(笑)
あ、サトに私信。ギャオスの敵はガメラですので、身の回りの『亀』には気をつけましょう……
おや?(笑)
投稿情報: 岬 | 2007年7 月19日 (木) 午後 11時33分