日曜日にライブに行ってきた。バンド仲間のいぶくろうさんが別に参加しているバンドが出る。その他にもいくつかのバンドが出る。勉強のために頭から全バンドを体験してきた。
ものすごく感動したバンドがあった。女の子ふたりだ。一人はエレピ。清楚でおとなしめな感じで、ちょっと心配になってしまう。もう一人がボーカル。なぜか譜面台が客席に向いている。足元に乱雑に散らかした紙袋や布袋、バッグのたぐい。だいじょうぶなのかっ?!
とにかくもう何をどう演奏しようというのか、謎が謎をよぶ準備の時間。興味半分ドキドキ半分で一部始終を見ていると、客席を愕然とさせる小道具が登場する。
紙芝居だっ!!
何冊ものスケッチブックが出てきた。そして会場が暗くなり、ステージに照明が当たる……
「私たちは老人ホームを回って演奏を続けています、おさる3と言います。三人組なのでおさる3。でも今日は二人でやります。よろしくお願いします(ペコリ)」
唖然とする中、演奏が始まる。線の細いピアノの子が弾き始める。いきなり音を外す!だいじょうぶなのかっ?!
と、ここで驚くべき現象を目の当たりにする。動じない!音を外した事に動じないのだ。仮にもこの段階では完全なるソロの状態。しかも始まってすぐのミスだ。普通なら笑ったりして「すみません、もう一度最初から」となるところだ。だが、この線の細い女の子は次々とミスを連続するのだがまったく気にせず、その目は譜面と鍵盤と、相棒であるボーカルとのアイコンタクトに全集中している。どういう心臓なのか?!そして歌が始まる!なんとっ!!
手話が入るではないかっ!!
手話をしながら歌うのである!歌の内容や紙芝居の中身はたわいもない恋愛ものなのだが、そのシチュエーションが冒険心に満ちている!もちろんオリジナルである。単調なメロディの繰り返しなのだが、なぜか飽きない。
とにかくスゴイものを観せてもらった。この構成と進行で30分、やりきってしまう。そうか、そういう事か。老人ホームでの活動の繰り返し……彼女たちはそんじょそこらのアマチュアバンドたちが経験しない世界のなかで演奏を続けてきた。いわば百戦錬磨。音が外れるとか紙芝居が譜面台から落ちるとかのアクシデントを山ほど経験してきているのだ。そこをそうならないように学べばいいのにと誰もが言うところだろうが、彼女たちは学ぶ事よりも腕を上げることよりも、演奏を続ける事を優先してきているのだろう。それはそうだ。物語は長い。途中で寸劇まで入る。だから途切れさせてしまうとストーリーが解らなくなる。些細な失敗なんか気にしているヒマは無いのだ。一度始めた演奏を最後まで途切れさせる事なく、キッチリと演奏し切ることの大切さを身にしみて解っているのだ。
「伝えたい事をしっかり伝える」
そうなのだ。最後まで演奏しきってこそ、伝わるものが伝わるのだ。それを伝えようとする物凄い精神力の備わった意気込みが客の意識を受動態ではなく能動態にさせる。確かに客はみな息をのんでいる。姿勢はそのままでも意識は確実に前のめりだ。
演奏を終え、メンバー紹介に入る。二人なのにメンバー紹介。そうだ忘れていた。彼女たち、いつもは三人なのだ。そして休んだのはギターだという。えっ?!待て!!本当か?!ギターが休んだら普通演奏になんかならないだろうに!そこをこの二人は、二人でできると判断したのだ。やると決めたのだ。そしてミスだらけの演奏を最後までやりきって、会場の拍手を受けてステージを降りた。
プロだ。技術上のプロではないだろうが、魂を伝える事に関しては確実にプロフェッショナルだ。本当の伝道師だ。僕はまわりに「あの子カワイイなー!」とかおちゃらけていたが、内心は感動に震えていた。
次のバンドの準備中、彼女たちがバックヤードから会場側に姿を現したとき、常連のファンなのか友人なのか身内なのか解らないが、何人かが取り巻いて拍手していた。その時のピアノの子の物凄く高潮した笑顔と、「緊張で声が出なかった」なんて声が聞えて、妙な話だけど涙が出そうだった。そうなのだ。心臓はやはりバックバクものだったのだ!それを顔に出さずに演奏を続けていたのだ……
なぁ、バンドのみんな!オレたちってこんな演奏、できるかな?(笑)
伝えたいことを伝える。。。
それって、イチバン大切なことだと思うんですよ。。。
以前、岬さんに「某バンドのコンサートで失望したけど、某グループのライブの歌で感動して泣いた」と話しましたよね。おぼえてますか^^??
コンサートの規模やテクニック・センス・歌唱力でいうと、そのバンドの方が遥かに上手い。。。
でも、何か「ただ黙々と仕事をした」というカンジがして・・・歌詞に気持ちがなかった。
上手なのに・・・何も伝わってこなかった・・・
でも、そのグループは上手くはなかったけど・・・妙に感動した・・・
マイクを落としたり、つまずいたりしてたけど・・・面白味という点では劣っているはずなのに・・・ヘンに心に響いてきた。。。
それが、やっぱり大事だと思うんです。
歌だけじゃなく、映画やドラマも、小説や漫画も・・・
名台詞だらけで演出もスゴい作品より、稚拙だけどテーマが活きてる作品・・・
それって、すっごく大切なコトだと思うんです。
今は一般の人も目が肥えていて・・・みんながみんな、批評家ってカンジで・・・作品を発表するのがコワい時代だけど・・・
何をやっても比べられちゃう時代だけど・・・
でも、批評に負けず「伝えたい」という気持ちだけで何かをすれば・・・少なくとも、誰かの心に届く・・・
万人に瞬間的に受け入れられる作品より、1人の人間の心にいつまでも・・・何年も、何十年たっても残り続けるもの・・・
それがとっても大切ですよね
投稿情報: 葵女子♪ | 2007年12 月18日 (火) 午前 12時18分
> なぁ、バンドのみんな!オレたちってこんな演奏、できるかな?(笑)
地球を守る我々は、人々の感動を巻き起こ~す!
でも、なんでそんなバンドに地球征服をもくろむ使命を受けた岬さんがいるのだ???
投稿情報: ブラック魔王 | 2007年12 月18日 (火) 午前 09時27分
えっ? 地球征服っ??
地球制服ぢゃなくて・・・っ??
岬さん、悪の手先だったんですかっ?
しょ、ショックだぁ。。。↓
投稿情報: 葵女子♪ | 2007年12 月18日 (火) 午後 12時16分
なにを動じているんですか、葵女子♪さん(笑)。
よくご覧下さい、この人の名前を。
『ブラック魔王』ですよ!(笑)
こっちの方が遥かに悪者でしょ?
岬の使命は地球を平和にすることです。
そのためにアイドルや女学生さんたちの制服を日夜研究して、何かと戦いたがる野蛮な人たちの心を癒そうと努力しているのです。
信ずる者は救われん。かしこみかしこみ。
投稿情報: 岬 | 2007年12 月18日 (火) 午後 09時17分
そうきたか(笑)
投稿情報: いぶくろう | 2007年12 月18日 (火) 午後 11時48分
↑日記の内容に対してのコメントね
制服のことは、今更コメントするまでもなく・・・
投稿情報: いぶくろう | 2007年12 月18日 (火) 午後 11時50分
ブラック魔王は、いつも伝書鳩のピー子ちゃんやケンケンにいじめられているかわいそうな人です。。。
投稿情報: ブラック魔王 | 2007年12 月20日 (木) 午前 09時39分