偉い方がある講義で『当時の日本政府の対応が遅く、原爆は落とされてもしょうがなかった』という主旨の発言をされたんですね。
それに対して別の党の方たちが食ってかかったんですね。『なにごとか』と。
岬としては、食ってかかった方たちこそ『なにごとよ?』という感じなんですが、皆さんはいかがでしょ?
発言の内容は明らかに『当時の政府の対応のまずさ』を指摘しているわけで、落とされて被害に遇った方々に対しての配慮が足りないとか、そんなことは次元の違う解釈です。原爆を肯定している発言でもないし。政治を司る方々の、見識の狭さ弱さに腹が立ちます。
食ってかかっている政治家の人たちだって、本心ではないでしょう。そこで食いついて『私たちは国民の皆さんの味方です!』という芝居を演じているにすぎません。浅はかな姿勢にも腹が立ちます。
しかし、何よりイチバン腹が立つのは、そういう態度を見せておけば自分たちになびいてくれるだろうとタカをくくられてしまう我々国民の立場です。
与党も野党もありません。政治家の方々が一般国民よりもはるかに多くの収入を得ている実情がおかしいと、思いませんか?いや、まじめにやってくれている人にならそういう収入はあってもいいと思いますよ。そのまんま東さんなんか、なんだかんだ言われていたって県の特産物を国中に周知させて回ってるじゃないですか。知事なら知事らしい仕事をしろと言う方もいますが、彼だからこそできる事を彼は全力でやってるんです。知事の仕事はそれをサポートする人たちが回転させていけばいいわけです。仕事というのは組織あってこそのものです。ひとりの仕事ぶりを叩く前に、その過程と成果とを正しく見れば、仕事のあり方は枠にはめておけばいいというモノではないという事くらい、誰だって判ることなんです。
今回の『原爆落とされても仕方ない発言』にしても同じで、本質を見ず(見ようとせず)、表面的な事柄だけ取り上げて演技してまわる政治家なんて、情けない人間の代表みたいなものです。
あの発言に関する一部始終を、デキの悪いシナリオ風に組みなおしてみるとこうなります(青字はご本人の発言のまま)。
「当時の日本政府の判断があまりにも甘く、広島を一発の爆弾で崩壊させられた後でもまだ敗戦を信じようとはしていなかった。あのまま終戦が遅れると機に乗じたソ連に北海道が占領されていた可能性はじゅうぶんにあった。原爆も落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、『あれで戦争が終わったんだ』という頭の整理で今はしょうがないなと思っている。アメリカに対しては、勝ち戦と分かっているときに原爆まで使う必要があったのかという思いがするが、恨んでいない。国際情勢や占領状態からすると、そういうことも当時の選択としては仕方が無かった。とはいえ原爆を肯定するわけではない」
かなりずさんな組みなおしですが、主旨は曲がらずに説明できているはずです。これをこの通りに聞かなかったからといって、『落とされて当然とは何事か!』と……そう捉える精神構造が僕は怖い。
本気にせよ、演技にせよ、我々の上に立つ政治家の皆さんは、こういう人たちなんですよ。
はい。
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