……と書き出した妙なタイトル。これ、実はかなり辛らつな意味合いを込めておりまする。
そもそも
ラーメンというものは庶民食なんです。あれを入れ、これを足し、職人のこだわりと熱意と原料と……とかなんとか言っても、時間をかけ、贅沢な材料とか使えばそりゃ美味いに決まってます。いや、そのすべてを否定はしませんよ。岬もそういうラーメン好きですから。
でもね。
一杯食べるのに1000円札で払ってお釣りが微々たるものになったりするものは、どうしても庶民食ではないと思うわけです。
なぜこんな事を言い出したかって?
これ見て下さい。
岬の大好きな『すがきや』の、今年のキャンペーン広告です。
『すがきや』は岬にとって聖地でした。
小学生の頃、鍵っ子だった岬が家に帰ると、テーブルの上に100円玉が置いてありました。母が置いてくれた岬の一日のお小遣いです。
どう使ったって構いません。
当時の100円。
駄菓子屋で飴を買えばそれなりの飴玉が10個も買えました(大玉とかね)。ライオネスコーヒーキャンディなんかのバラ売りなら1個が1円でしたから100個も買えたんですよ。
アイスキャンデーなら2本買えました。ひとつが2本に分かれるタイプなら4本は食べられました。
でも岬の使い道と行き場所は決まっていました。当時オープンしたてだった金沢文庫の『ユニー』の一階と四階にあった『すがきや』です。
なんと
当時のラーメンは一杯が90円
美味しく食べて10円も(「も」ですよ!)お釣りが来るのです。そのお釣りで駄菓子屋の飴を買えばデザートになるのです。小学生のおやつ計画としてはもう完璧このうえありません(笑)。
この『すがきや』。東海地方から広がったチェーン店で、実は今、関東には一店もありません。
なぜか。
単純な話です。売れないのです。そう。原因は単純。しかし、なぜ売れないのかが問題。
ここで冒頭のセリフ(書き出し)に戻ります。
東京周辺のラーメン好きな人たち。ラーメンの本分を忘れていないか
安くて美味くなきゃ庶民食じゃあないだろう
特にこういう人たちがいるので岬は声を大にして言いたい。
『安いものを「美味い」と正直に言えない意味不明な価値観は捨てなさいっ!!』
『すがきや』のラーメンは現在一杯が280円。この半額セールでは140円で食べられる。
ソフトクリームはいつもが140円。このセールでは70円だ。
この安さ
そして昔から変わらない独特な『かつお出汁ベースのさっぱりしたとんこつ味』
これぞ庶民食の王道
それを理解して後押しするのが『真のラーメン好き(通である必要なんかないのです。ラーメン通は岬は嫌いです。嘘つきが多いから)』じゃないでしょうか。
と、こう書きながらも感じるのは、『日本にはもう庶民は居ないのでななかろうか?』という疑問。いや、実際は庶民だらけですよ。でも『庶民意識を完全に忘れ、中流から上流意識に浸りきった“勘違いな庶民”ばっかり』になってしまったのでは……と思うわけです。
『三丁目の夕日』とか見て昔の生活はあーだったこーだったと懐かしむ意味が岬には解りません。それより今の世の中にもっと危機感を感じた方がいい。潤ったのは物質だけ。映画の中の時代よりも人心は遥かに荒み切ってるじゃないですか……
安くてめっちゃ美味い店を応援しないと、本当の意味でのラーメンが姿を消していってしまいそうで不安です。ああ、すがきやのラーメンを食べに行きたい……名古屋までか……遠いなぁ
そうそう。渋谷のハチ公脇のガード下にある『ハイカララーメン』
ここも安くてめっちゃ美味いですよ。
ラーメン好きな方は一度お試しを
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