前回、メイド喫茶に行って来た話を書きましたが、秋葉原という街の面白さはメイドさんだけじゃありません。昔、横浜や神戸には『無国籍』なんてキャッチフレーズがついてましたけど、秋葉原を岬ふうに表現させていただきますと、『多次元文化』……って感じですかね。
だいたいですよ。皆さんテレビなんかでご存知と思いますが、この『ラーメン缶』。
元は『おでん缶』からスタートして種類が増え、その中のひとつがコレなわけですけど、食べてみた方、感想はいかがでしたでしょう?
で、岬が選んだのは『札幌らーめん缶・醤油味』。ラーメン缶にはちゃんと『ミソ味』と『しお味』もありました。ちなみに他にどんなものがあるか……写真を大きくすると後ろに並んだものの名前が読めるはずですが、写した範囲に入らなかったもので上げますと『肉じゃが』なんてものが。あれ? 【肉じゃが】だったら昔から普通の缶詰商品にもあった気が……
なんて思いを頭の片隅に置いて、とにかく食べてみます……
缶に付属の折りたたみフォークを伸ばし、しざフタを開けてみると、まず目に入るのが『しなちく』。まっとうに4~5本は浮いてます。すこし探ると『チャーシュー』らしき肉も見えました。
麺がスゴイ! なるほど、よく考えられている。こんにゃくを加工して作られているんですね。なぜか? 保存中も汁に慢性的に浸かっている麺が『ふやけて延びない』ようになんですね。ですが……
食べてみると、これ、正直に書いちゃいますが、『美味い……とは決して言えない』シロモノです。いや、ものすごく研究された結果の商品であることはよく理解できます。麺だけでなく、スープにもその苦心の跡は如実に現れています。油分が極端に少ない。というか、無い。チャーシューらしき肉片も、鳥のささみみたいにボソッとした状態。なぜか。
冷やしたら固まるし食えたもんじゃなくなるからでしょう。
僕らは自動販売機だから暖かいまま食べられましたが、そうでなければ冷えたまま食べる場面だって絶対あるはず。その時のことを考えれば油は入れられなかったという事と思います。しかし!! ラーメンから油を抜いて美味しいものができるか……想像してみて下さい。豚にせよ鳥にせよ肉を使えば油は出ます。炒め野菜を入れれば炒めた時の食用油だって入る。仕上がった麺にラー油を垂らしたりもするはず。ラーメンと油は切っても切れない仲なのに、その縁をズバッと切ってしまって「はい、ラーメン缶です」と商品化されても、これは嬉しくない。なのにどうして商品として成立しているのか。
単純に言えば『次元』が違うんですよ、この街は。
冒頭で例えた『多次元文化』の意味はこれです。いわゆる、僕らの常識が通用する次元とは確実に違った世界観やモラルによって、この街は構成されているんです。この街の中で生きる人たち(この街に慣れている消費者たち)にとっては、『美味い』とか『まずい』とか『手軽』とかは関係ないんです。「また変なものが出てきたけれど、そこそこ面白ければなんでもアリじゃん」なんです。この手の缶商品に『保存に便利』なんて価値を見出すのは、世間一般の常識人くらいじゃないでしょうか。で、実際お土産とかでもらったりして自宅に持ち帰って食べてみて感じるでしょう。
「保存するにしたってカップ麺の方が数倍美味いじゃん」
その通りっ!!
頭の片隅に放置したままの【肉じゃが】の缶詰なんかモロにそうですよね。写真の片隅に写っている【筑前煮】だって多分そう。その手のものは普通の缶詰でじゅうぶんだし、食べ比べれば見た目はどうあれ昔からの缶詰の方が確実に美味いはず。汁が冷えて煮こごりになっちゃってたって、絶対そのまま食べて「美味い」と思えるはずです。
だからってそこで秋葉原をバカにしたらいけません。こういう『冒険心に満ちた空間』の中から、新しい文化・新しい商品・新しい人材・新しい価値観が生まれてくるんです。まずいから・変だから・おかしいから受け付けない……というのは、単なる食わず嫌い。前回もちょっと書きましたけど、『魔女狩りに走る盲信教徒』と一緒です。皆さん、決してそうはならないで下さい(笑)。
で、ラーメン缶だけでずいぶん屁理屈をこねてしまったので、あとは簡単に(笑)。
なんたって秋葉原は『多次元文化』。なんでもアリな世界です。いろんなお店がありますし、信じられないようなお店も。だからって新宿の歌舞伎町みたいな本格的に一線を越えたみたいな世界とはまったく別。ドキドキ感はあっても恐ろしさは感じませんし、総体的に明るいです。クラさは微塵もありません。
そんな中でこんな看板(というか張り紙。店の入り口に貼ってあるので看板と言えないことも無い)を見つけました。
いったい何を扱っているのか(笑)?
そりゃ、名前からすればとんでもないものがある可能性はありますが(笑)、そうでない可能性もあります。だって『銃砲店』でも『金物屋』でもなくこの店名ですよ。しかも左上に一緒に貼られている内容からすると『秋葉名物の和菓子』も売ってるんですよ。
てか、店内で食べられるのか?
もしや喫茶店か?!
そして左下のハート型の張り紙も別に撮ったので見て下さい。
「武器の知識は一切不要」
ってコレ……いったい何をどう販売してるんだか(笑)。
さすがにコワくて入りませんでした。
あ、先に書きましたけど、恐ろしさは無いんですよ。でもこういうコワさはあります(笑)。ドキドキしちゃいます。このドキドキはある意味『ワクワク』に近いです。
時間と財布に余裕があったら入った可能性大です(笑)。
ちなみにこの『多次元文化』の街の象徴とも言える『メイドさん』ですが、彼女たちの仕事場というのは喫茶店だけじゃないわけです。
居酒屋もリフレクソロジーも雀荘もダーツバーも、いろんな形で商売として成立しているわけです。そういう事が理解できてくると、始めは特異なモノに見えたこういう看板も、普通に読める様になってきます。
これ、改めて見てみるとなんと軽い(笑)! なのに最初はこういう看板の前に立ち止まるだけで、なんか恥ずかしかった(笑)。でも本物のメイドさんたちとの触れ合いを経験すると、いかに自分たちが色メガネで見ていたことかと反省することしきり。
秋葉文化は『多次元文化』。理解するもしないも、それは人それぞれ自由です。しかし、これだけは言える街です。
「健康的で面白い街です」
フィギュアやゲームなど、商品の一部には確かに成人対象のものも多いです。しかし、よく考えてみると、街なかのコンビニに平気で並んでませんか? エロ本・エロ漫画のたぐい。それらの存在をそのままにしておいて、秋葉原にだけそういう文化が特化して存在すると思い込んでいる国民の皆さん! 間違いですよ! 現実の話、秋葉のメイドさんたちのお店に風俗店は一切ありません。この街と消費者は、お客さん……いや、『ご主人様』の精神的な部分を癒してくれるメイドさんを支持しているわけです。だからこそ逆に守りにも入る。風俗の進出は街も消費者も絶対許さないでしょう。
最後に一枚、これは駅前でもらったチラシ。クリックすると原寸大で開きます……が。
これ見ると、ちょっと秋葉を擁護しすぎたかな……なんて思っちゃうのも事実ですが(笑)、それでもちゃんと書いてあります。以下引用。
●禁止事項
メイドさんの体に触れる行為、密室に入る行為(カラオケは可)、住所・携帯等のプライバシーを聞くこと、嫌がるポーズの強要、ストーカー・スカウト行為その他のマナー違反の方はその場で終了する場合もあります。その場合の料金の返金は出来ません。
以上引用。つまり、誤った客や迷惑な客は秋葉原もお断りなわけです。
さて、今度秋葉原へ行く時は、さらなる冒険をしてみたいと思います。ちなみにツンデレは店としては現存しないことが判明。ちょっと悲しい(笑)。ただし定期的にイベントが発生する模様なので、狙ってみたいと思う今日この頃(笑)。
いやぁ、ここまで書ききってようやく正月気分が抜けた! 今年も頑張るぞーっ!! ヨロシクお願いしまーっす!!(笑)
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